【専門家監修】犬がドッグフードを食べないのは自然な行動!? 「犬の食べムラ」の原因と対策

食事2021年10月12日by 大谷幸代さん

お客さまからいただくお悩みNo.1の“食べムラ”。体調不良やストレス、口内トラブルなど原因は様々ですが、特に多い理由が、健康上の原因は問題ないけれど、なぜか食べてもらえないというものです。

そんな悩みに対して、「実はそもそも一度の食事で食べきらなければならないという認識が間違っているんですよ」と話すのは、トリマー、トレーナー、老犬ケア、ペット栄養士、アロマテラピーアドヴァイザーなど多数の資格を持ち、25年以上ワンコと向き合ってきた大谷幸代さん。本記事では、ワンコの食習慣に関する新常識についてお話を伺います。

犬が一度でご飯を食べきらないのは当たり前?

愛犬の少食、偏食、食べムラに困り果てているご家庭は本当に多く、中にはあまりに深刻なケースに家族が疲れ果ててしまっているほどです。でも、こうした食べムラの多くの原因は家族の誤った認識と対処方法にあるのではないかと私は考えています。

みなさんは、犬の食事というとこのようなイメージを持たれていませんか?

  • 食事は1日2回
  • 毎日決まった時間に食事
  • 日中にはおやつ
  • 食事は一気に完食
  • 勢いよく食べる
  • 食後も皿を舐め、催促をする

このようなイメージは、実は誤り。現代の犬の生活を考えれば、必ずしも犬がこのような反応を見せるとは限りません。

犬をはじめ、多くの動物の食性として、

・食べ物の入手が困難な環境
⇒食事の回数が減り、1回に食べる量が増える

・食べ物が豊富な環境
⇒少量ずつ高頻度で摂取する傾向がある

参考:ペット栄養会誌 (2)食 性 、嗜好 、食餌 の摂取量 な ど麻布大学獣医学部 阿 部 又 信 1999

ということが分かっています。

1日2回同じ時間に必ずご飯がもらえ、さらにはおやつももらえる。そんな環境で暮らしている犬が、食事を少量しか食べないというのは、ごく自然な行動なのです。食べムラの理由は、「食への危機感」もまるで持たずに暮らすようになったことが原因といえるでしょう。

フードを変えるのは逆効果! 食べムラに悩む飼い主さんがやりがちなNG食習慣

「食への危機感」が薄いためにみられる犬の食べムラ。丸一日何も食べていない・・・毎食半分以上食べ残す・・・なんとかしてあげたいという家族の愛情や期待は、愛犬の食べムラをかえってエスカレートさせる原因になっています。

食べムラがある犬へのNG行為

  • 肉や魚、ウェットフードをトッピングして作り直す
  • いろいろなドッグフードをローテーションして毎食違う食事を用意している
  • おやつをあたえ空腹をしのがせている
  • スプーンや手のひらにドッグフードをのせ、食事を手伝っている
  • 食事の様子が気になり、じっと見つめている
  • ドッグフードの残った皿を置いたままにしている
  • 散歩やおもちゃで気分転換をさせてから、食事をするよう促している

犬は想像以上に高い学習能力を持っています。毎日必ず食事をもらえることで「食への危機感」は薄れます。その上、食べ残したり、口をつけずにいたりしたことで、家族がもっとおいしいもの、新しいものに作り替えてくれると学べば、次からはあえて残したり食べないという行動を繰り返します。

家族のとった行動が愛犬を「グルメ」でわがままな性格に変えてしまうのです。*

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食べムラのお悩みを解消するには、まず家族の姿勢を見直すことが大切です。

ドッグフードを安易に切り替えたり、作り変えるのではなく、食事の与え方を変えることで犬本来の食性へ近づけるよう意識していきましょう。

年齢や体調によって、食事を見直すことも必要

むやみに食事を変えることは逆効果ですが、年齢、体調に合わせて食事を見直すことも大切です。犬は歳を重ねるにつれ、成長期と比較すると食への関心や食べる勢い、消化機能に変化が起こります。

さらに年齢を重ね8歳くらいになると、人間であれば中高齢期に差し掛かかり老化が始まります。脂肪分を多く含むドッグフードでは膨満感や消化不良を起こすことも増えます。そのため、愛犬自身があえて食べ残すことで体を守ろうと考えることもあります。

*参考:犬と猫の食欲と行動学の関わり 荒田明香 東京大学・付属動物医療センター

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パピー期に考えるべき「食事」について

ゴールは、1日分の必要量をしっかり食べること

ポメラニアンのゆず汰くん(@yuzuta0919)

食べムラのお悩み解消には、まず犬の食事への誤ったイメージを払拭することから始めましょう。
今後意識すべきことは、「1日あたりに必要な給与量を1日かけて食べきる」ということです。

ドッグフードの栄養基準である「総合栄養食」では1日に摂取すべき栄養量をもとに摂取量が計算されています。この1日量を2回で食べても、5回で食べても必要量を摂取できていることに変わりはありません。
食事の回数や1回あたりの給与量は愛犬の様子を見ながら調整することを意識してあげましょう。

具体的な食べムラ改善法

  • 朝夕で食事の分量を変える
    活動的な朝に与える比率を高め、夜の分量を少なくすること。老犬は日没には眠気を感じています。朝と同量の食事は食べのこしや消化不良の原因にもなるでしょう。
  • 知育玩具で好奇心を刺激する
    食事への関心が薄い場合には知育玩具で好奇心を刺激し、脳を活性化させます。脳が活性化されることで食への関心も引き上げられ、少食の解消を期待できるでしょう。
  • あえて無関心を装う
    家族の関心を感じ取ることで、愛犬は様々な期待を抱きます。作り変えや甘やかしへの期待をさせてしまいすぎないよう、愛犬の食事中はあえて無関心を装うことも必要です。

食べムラの原因は数えきれないほどあります。1日も早く改善してあげたいと願うなら、ワンコ本来の食性を理解し、生活習慣の見直しをしてあげましょう。

※下痢、嘔吐などの気になる症状があったり、食欲不振が長期間続く場合は、動物病院を受診し、獣医さんの個別診断を仰ぐことをおすすめします。

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記事公開日:2019年12月18日

更新日:2021年10月12日

記事執筆&監修:
大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

WANTIMES は、愛犬の健康を第一に考えた 国産ドッグフードブランド「レオ&レア」が お送りしています。

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