失敗を減らそう!犬のトイレトレーニング、基本編

しつけ2022年1月7日by 大谷幸代さん

家の中の決まった場所でトイレを済ませる・屋外ではトイレをしても大丈夫な場所まで我慢する。本来であれば尿意や便意を感じた時にその場で排泄できることが理想であるため、このようなしつけは犬にとって必ずしも快適とはいえません。しかし、人間と犬が快適に共生していくためには、家族はもちろん、周囲にも不快な思いをさせないための約束事が必要です。この記事では、失敗減らすためのトイレトレーニングの基本について解説します。


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犬は元来キレイ好き、トイレに関する問題行動には何か原因が?

犬はとてもきれい好きな動物です。自分の体はもちろん、寝床や縄張りが排泄物で汚れたり、悪臭が漂うことを嫌います。野生の環境では排泄物の臭いが漂うと敵に自分の居場所がわかってしまい、身の危険に直結するからです。室内で暮らす生活が一般化してからも、自分の体や寝床を汚したくないと感じる本能はしっかりと引き継がれています。愛犬が何度教えてもトイレの場所を失敗してしまう、ベッドでトイレをしてしまう、ウンチを食べてしまう、といった問題行動には必ず何らかの理由があると考えてみてください。

排泄とマーキングの違いって?

犬のトイレには排泄とマーキングの2つの種類があります。排泄は生理現象として起こるオシッコです。成長やしつけによってタイミングや場所を覚え、ワンコ自身がコントロールすることもできます。一方、マーキングと呼ばれる行為は、少量で臭いの強いオシッコをスプレー状に広範囲に吹きかけます。これは散歩中やお出かけ先で他犬の臭いを嗅ぎ、その存在を脳が感知することで条件反射的に起こる行為です。必ずしもしつけでコントロールや制御ができません。

自宅ではトイレの失敗が無く、しっかりとしつけが出来ている場合でも、お出掛け時にはマーキング対策にマナーベルトを着用すると安心です。

トイレのしつけ成功のカギは、設置場所選び

愛犬のトイレをリビングの人の往来が多い場所や、家族の目が届く場所に設置していませんか?排泄物はすぐに片づけたいからこそ、目に付く場所に置きたいと考えるのは自然なことですが、それは愛犬も同じでしょうか?

犬にとって排泄は、日常生活の中で最も無防備な瞬間です。排泄中に敵に襲われたり、危険を察知してもすぐに防衛姿勢をとることができません。犬は、人気のない静かな場所でこっそりとトイレを済ませたい、トイレが終わったらすぐにでもその場から立ち去りたいと考えているのです。

散歩中の砂掛けは自分の形跡を消すため

散歩中、ワンコがトイレを済ませた後に後ろ足で砂をかけることはありませんか?この行為は自分の排泄物を隠し、砂で埋めて臭いを消そうとするためです。そして他犬に自分の存在を気付かれないように、早くその場から立ち去りたいと思っています。家族や親犬が教えなくても、犬にはこのような本能が習性として引き継がれているのです。

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理想的なトイレ設置場所は、人目につかない静かな個室

ワンコに1日も早くトイレを覚えてもらうためには、設置場所の選択が重要です。可愛い盛りの愛犬をいつでも見守りたいという気持ちはぐっと抑え、静かで落ち着くことができ、家族の目線が届きにくい場所を選んでケージやサークルを使用し設置しましょう。オススメの場所は以下の通りです。

  • 廊下
  • 階段下
  • リビングとは別の部屋
  • リビングの角

※リビングに設置する場合は、布などでトイレスペースの天井、壁面を覆っておきましょう。

四六時中家族の目線がある中で、堂々とトイレを済ませるのはワンコにとってもストレスです。ワンコの気持ちになって、こっそりとトイレができる場所への設置を検討しましょう。

トイレトレーニングの方法

場所は覚えた?迷子を防ぐことが第一歩

トイレのしつけ方法は多種多様で、どんな犬でも確実に効果が見込める方法は存在しません。犬種や年齢、生活環境によって最適な方法が異なるからです。

手法は異なりますが、トレーニングの際に注目すべきワンコの性質は以下の3点です。

  • 元来とてもきれい好きであること
  • 生後2,3カ月の子犬の言語理解能力は人間の0~1歳児程度であること
  • 叱られると委縮してしまうこと

この性質から、トイレトレーニングは簡単な方法で、わかりやすく教えると効果的といえますね。

具体的には、

  1. トイレをワンコからすぐ見える場所に設置する
  2. トイレから1,2mの範囲内で遊ばせる
  3. 食事・飲水後・寝起き・数分程度の遊びの後にワンコをトイレの上まで誘導する
  4. 排泄完了までトイレから離れないよう、見守る
  5. 正しい場所で排泄できたら大いに褒め、ご褒美のオヤツを与える

3~5を一日に何度も繰り返します。

生後間もないワンコは視野が狭く、広い室内で自由に行動をさせると、トイレの場所を見失ってしまい、迷子になってしまいます。トイレをしたいと思っても、場所がどこだったのか、行き方がわからず、迷っている間に我慢の限界を超え、その場で排泄してしまうという失敗を繰り返します。

トイレの場所を覚えるまでは、視界にトイレが確認でき、数歩で移動できる場所で遊びや食事をさせましょう。場所を覚え、自力で行き来ができるようになったら、徐々に行動範囲を広げます。


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イタズラを防ごう!トイレ用品の選び方

トイレトレーニング中のワンコにとって、目の前のトレーやシーツはトイレなのか、それともオモチャなのか見分けが尽きません。家族には見分けのつく「トイレ」と「ベッド」も、ワンコにとっては同じに見えていることもあります。特にペットショップやブリーダー宅でトイレシーツの上で眠る習慣があった場合、新しい家族の元でもシーツをベッドの様に使ってしまうことがあります。

また、トレーニングを終えていないワンコにとって、簡単に破れるシーツや噛み応えのあるトレーは遊び道具になり得ります。特にサークルの中で過ごす退屈な時間は目の前にあるもの全てで退屈を紛らわそうと考えがちですから、仕方がありませんね。

シーツの上で寝る・破る・食べるといった行動がみられたり、お留守番中のトイレ用品を使用したいたずらを見つけた場合、家族は駆け寄ったり、抱き上げてベッドへ移動させたりといった対応をしてはいけません。一度経験したことを忘れない犬たちは、先に述べた対応を一度でもすると、次からトイレシーツは家族の関心を惹くために効果的な道具だと勘違いをしてしまいます。トイレ用品を遊びの道具の1つと誤解してしまうのです。これでは何度叱ってもトイレシーツを上手に使うことができませんね。

ワンコにこのような間違った経験をさせないため、トイレトレーを選択する際は以下3点がクリアされている用品を選びましょう。

  • 丈夫で簡単に壊れないこと
  • スノコ付きであること
    シーツをスノコで抑えることで簡単に破ることができなくなります。
  • ケージやサークルに固定できること
    ケージやサークルに固定されていれば、外したり、噛んだりという遊びもできません。

トイレトレーを正しく選ぶだけで、ワンコのイタズラを防止でき、スムーズにトレーニングが進みます。

失敗した時は、叱る前に原因の究明を

カーペットや家族の寝具に排泄されると、ついつい苛立ちを覚えてしまいますね。トイレトレーニングに失敗はつきものです。どんな失敗も、闇雲に叱るだけでは根本解決になりません。トイレを失敗したことで家族に叱られた時のワンコの気持ちは、以下のように誤った方法に進んでしまいます。

叱られた理由を理解できない。

ワンコの気持ち「トイレをしたから叱られた」

改善策の提示がないため、何度も同じ行為を繰り返す。

ワンコの気持ち「トイレはしてはいけない行為だったのかな?」

委縮してしまい、間違えた解決法を自身で考えだす。

ワンコの気持ち「叱られないために、次は家族に気がつかれないでトイレを済ませよう」

ワンコはいつでも家族に愛され、仲良く暮らしてゆきたいと考えています。何度も失敗を繰り返すのは、ワンコなりに家族に叱られない方法を試行錯誤しているからです。家族がこの行為を「失敗の繰り返し」と受け取ってしまえば、お互いの関係性は悪化の一途を辿るでしょう。

叱る前に原因を考えよう

トレーニングの失敗が続く時は、その原因がどこにあるのか考えてみましょう。以下が主な原因と解決策です。原因さえ判明すれば、解決策は意外とシンプルですよ。

  • 設置場所や環境が原因の場合

家族の視線や声、行動が気になってしまいトイレに集中できないことがあります。トイレ以外の場所での排泄が続く場合、トレーやサークルの設置場所を変えてみましょう。家族の生活導線に被らない、静かで落ち着ける場所がオススメです。自宅のスペースの関係で設置場所が限られている場合、トイレ部分をタオルや布で多い目隠しをしてあげると、ワンコにとって快適なトイレ空間を作ることができます。

  • トイレトレーのサイズが合っていないことが原因の場合

トレーのサイズはワンコの体が十分に収まり、ゆったりとしていることが理想です。ジャストサイズ、狭すぎするトイレはワンコが不快に感じるため、失敗の原因にもなります。トレーをサイズの大きなもの、別の形状のものに買い替えてみましょう。

  • トイレに集中できないことが原因の場合

排泄を中断してしまったり、トイレが少量・複数回に分かれてしまったり、誘導しても全くトイレをしてくれない時は、ワンコの気持ちになってその原因を考えてみましょう。ワンコの様子や体調が気になり過ぎてしまい、無意識のうちに排泄中のワンコをじっと見つめていませんか?排泄物を観察しすぎていませんか?ワンコはトイレをさりげなく、素早く済ませたいと考える習性があります。家族の視線や気配がプレッシャーになりトイレを躊躇ってしまうことが無いよう、排泄時はワンコから目線を反らし、できる限り物理的に離れてあげましょう。

トレーニングで失敗をしてしまった時の片付けは、消臭剤はもちろん、忌避効果のあるスプレーも吹きかけておきましょう。次にワンコが同じ場所で排泄しようとした時、苦手な臭いを感知することで自然とその場から立ち去ってくれます。この方法なら家族が叱ることも、付きっ切りでワンコを見張る必要もなくなりますね。

何度も失敗が続くと家族のストレスも増えるトイレトレーニングですが、基本的な手順とワンコの気持ちを考えながら取り組むと、意外にあっさりと習得できるものです。気長に気楽に取り組んでゆきましょう。

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記事執筆&監修:
大谷幸代さん大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

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