犬の鳴き声には数百のバリエーションがあります。バリエーションには特徴が似通ったものも多く、聞き分けが難しいものもあります。この記事では、専門家監修のもと、鳴き声からわかるストレスサインを見落とさず、上手に対策し、愛犬に快適でリラックスした生活を送ってもらうための方法を解説します。
しっぽを振る=喜んでいるとは限らない?
「尻尾を振っているから大丈夫」「尻尾を振るのは喜んでいる証拠」犬を飼っていない人でも知るこの常識は、犬の行動に関して誤解されている解釈ナンバーワンです。
犬の尻尾は感情と連動して動きますが、嬉しい・楽しいなどのポジティブな感情だけでなく、威嚇・興奮・煽り・自己顕示欲などでも尻尾は動きます。尻尾の動きがどのような感情によるものなのか、ワンコの気持ちを知る手がかりとなるのがが鳴き方です。
\ドライフードだけで完食の声、続々/レオアンドレア注文はこちらから
鳴き方でわかる、犬の気持ち
犬は、嬉しい時は甲高い声で、不快な時は低い声で鳴きます。カフェや公園などで愛犬が吠え始めてしまったら、尻尾の動きだけで犬の気持ちを判断するのではなく、声色の高低を聞き分け、次にどのように行動するかを決めましょう。
- その場に居続けてよい場合
身を低くしたり、警戒する素振りを見せてはいるものの、その場から立ち去ろうとせずに相手に興味を示している時は、すぐに犬を抱っこできる距離で見守ってみてください。
例えば、ドッグカフェで、隣に座った犬に最初は警戒し、低い声で威嚇をしていても、気がつけばそれぞれが落ち着いて過ごせることがあります。これは攻撃の意思や危険が無いことをお互いに確認でき、警戒心が溶けた証です。一緒にじゃれ合うことがなくても、よい関係性が築けたと理解しましょう。
- 安全確保のために抱っこすべき場合
愛犬が普段と異なる低い声を発する時、相手から目を反らしたり身を隠す時、家族に助けを求める時は、リードを短くし近くに寄せる、抱っこする、カートに乗せるなどの方法で距離を取り安全を確保しましょう。愛犬がこれ以上、相手と距離を縮めたいと思っていないことはもちろん、自分の方が優位と察知した相手が攻撃的な行動を見せる事があります。
ドッグランなどでよく見られる、積極的に遊びに誘う犬と、戸惑い、追い詰められてしまう犬の構図などがよい例です。「犬友達を作って欲しい」「仲良くなって欲しい」という家族の気持ちより、限界を訴えている愛犬の気持ちを優先し、ドッグランから一時的に退場するなどの対応をしましょう。
\国産・無添加ジャーキー大人気/レオアンドレアのおやつシリーズはこちら
- すぐに立ち去るべき場合
普段より低い声を出している上に、眉間や口元にシワを寄せている時は強いストレス状態にある証です。
犬は初対面でも瞬時にお互いの力関係を見極めるため、突然攻撃的な行動を取ることはありません。しかし、犬としての社会化経験の不足などにより状況を理解できず、距離を縮めようとした結果、激しい喧嘩やマウンティングという問題が起こることがあります。
これは犬同士だけでなく、犬対人間でもたびたび起こります。公園やイベント会場で、ワンコに触れようと手を差し出した見知らぬ人に、突然噛みついたり、激しく拒絶をすることがあります。
- こんなときは更に注意!鳴き声と合わせ、尻尾の動きもチェック
ワンコの本音は、声と尻尾の動きに表れます。尻尾をお尻の間に丸めこんでいたり、低く垂らしながら吠えている時は、まだ感情や行動を自分でコントロールできていますが、吠えながら尻尾を激しく振っていたり、興奮状態で動き回る場合は我を忘れています。些細な刺激で更なるパニックを起こし、突発的に攻撃的な行動を起こす危険があります。すぐにその場を立ち去りましょう。
\愛犬にぴったりのフードプランをご提案/レオアンドレア注文はこちらから
家族以外や、犬を飼っていない人が犬の声色を聞き分けたり、わずかな表情の変化を見分けるのは簡単なことではありません。不用意なアクシデントを避けるためにも、ワンコとお出掛けをする時は、家族が一早く正しい判断、行動をすることが大切です。
どんなときにストレスで鳴く?対象物とタイミングを分析しよう
ワンコたちはどんな時に低い声で鳴くのでしょうか?以下の項目について整理し、分析してみてください。鳴くシチュエーションの傾向を知ることで、傾向に応じた対策ができるようになります。
- 対象物
愛犬が鳴く対象に共通項はありますか?
他犬、自転車、バイク、騒音など、どんな対象に対して愛犬が吠えるのかを突き止めましょう。何を避け、何に慣らすべきかが明確になります。
- タイミング
「この場所にきたら毎回必ず吠える?」「特定の犬の前だけ?」愛犬が吠えるタイミングはいつかを把握します。次に、鳴きやむタイミングも把握しましょう。「抱っこをしたら?」「オヤツを見せたら?」始まり方と終え方を把握できると、家族も焦らずに対処ができます。
\ドライフードだけで完食の声、続々/レオアンドレア注文はこちらから
特定の対象への苦手意識や、他犬との相性の良しあしは先天的な性格や生活環境、成長過程での経験など様々な要素から決まります。どんな傾向があるにせよ、ワンコが低い声で吠えるのは、何か強いストレスを抱えているからです。しつけでコントロールできない部分もあるため、飼い主ができる工夫と対策でストレス源から遠ざけてあげましょう。
よくあるシチュエーションと対策
- 散歩中、いつも同じ対象物に吠えてしまう
ワンコが吠える場所や物、音を把握し、苦手を避ける方法を見つけましょう。
◎散歩ルートや出発時間を変える。
苦手意識の大半は本能や習性から起きているので、しつけや、繰り返し体験だけでは克服できません。苦手な対象は遠ざける、避けるという方法も積極的に取り入れましょう。
◎ペットカート、キャリーバッグ、スリング、抱っこで避難する。
苦手な場所や物、音を見聞きしなくて済むよう、通りすぎるまで退避させましょう。無理強いは警戒心・恐怖心を増大させるため禁物です。
お気に入りの1枚が、パッケージになる▶︎レオアンドレア注文はこちらから
- カフェに行くと、鳴きながら抱っこをせがむ
カフェで鳴きやまない、落ち着かないワンコはカフェが楽しく、安全な場所だと理解してもらうことから始めましょう。
◎テラス席の利用から徐々に慣らす。
屋外の方が閉塞感が無く、逃げ道があると犬に認識できるので危機意識を下げることができます。
◎愛犬の居場所(隠れ場所)を作る。
ペットカートやキャリーバックを持参し、隠れ場所を作りましょう。他犬が立ち入らない、自分専用の安全地帯があると安心して過ごすことができます。
◎テーブル同士の間隔が広く、他犬と距離を保てるカフェを利用する。
犬にもパーソナルスペースがあり、小型犬なら半径1m程度といわれています。カフェでは他犬と1m以上離れた場所に着席すると、警戒心を抱かずに過ごすことができます。
- 掃除機を追いかけながら吠える
掃除機を危険な存在、敵と認識し吠えたてるワンコたち。使命感から起こる行動には、叱るのではなく、別の使命を与えることが効果的です。
◎サークルに入れる。
サークルは犬の身を守るだけでなく、敵の侵入も防ぐ絶対的な安全圏です。サークル内でも興奮がおさまらない場合はより狭いクレートを使い、行動範囲を制限することで静かに待機することを覚えさせましょう。
◎気を反らせる。
掃除機が視界に入る限り、ワンコは使命感から決して攻撃を止めません。掃除が終わるまで知育玩具を与えたり、別部屋に移すなどの方法で別の「やるべきこと」を与えて気を反らします。
まとめ
ワンコの声に隠れるストレスサインを見つけ出すには、声の高低や尾の動きを観察してみてください。鳴き方からストレス原因を突き止め、回避する方法を取り入れ、暮らしを少し変えてゆきましょう。少しの工夫で愛犬の暮らしは快適でリラックスしたものになります。