【専門家監修】伝えたい思いは何?理解から始める要求吠え対策

しつけ2022年11月22日by 大谷幸代さん

家族にとって深刻な悩みのひとつであるワンコの吠え癖。毎日同じ時間に吠える、散歩や食事の気配を察知すると吠える、中にはサークルに入った途端に吠えるタイプもいるでしょう。どのパターンもワンコにとっては真剣な思いがあり、それを伝えるために吠えています。この記事では、専門家監修のもと、家族にもワンコにもストレスの原因となりがちな「要求吠え」に注目し、具体的な行動例や対策を解説します。

要求吠えと無駄吠えの違い

これまで愛犬の「吠え」をひとくくりに捉えてしつけを諦めてしまっていた方も、無駄吠えなのか要求吠えなのかを区別して考えるとと、どのように対処すべきかの答えが見つかります。それぞれの違いは、以下の通り区別してみるとわかりやすいでしょう。

  • 無駄吠え

犬種特性や生活環境、社会化不足などを通じて形成された性格によって音や他犬、人に反応し条件反射的に吠えること。多くは犬がパニックを起こしている時に突発的に起こります。性格や習性によって何に反応して吠えるかが異なるため、しつけでのコントロールが困難です。

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  • 要求吠え

人間との暮らしを通して、コミュニケーションの手段として吠えることを身に着け、意思や要求があり吠えること。家族とのスムーズなコミュニケーションによって要求が満たされることで解消したり、防止することができます。

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なぜ吠える?要求吠えの意味と対策

犬は催促したい時興奮している時不安な時に要求吠えをします。吠えているからといって無暗に叱るのではなく、裏にある愛犬の思いを理解したうえで対策を講じることが大切です。それでは、催促興奮不安それぞれについてみていきましょう。

  • 催促したいとき

吠えることで相手を急かし、一秒でも早く自分の要求を満たしたいと考えています。

<よくある行動>

食事や散歩、おやつの時間が近づき、気配を察知した時に大声で吠えて飛びついたりする。

<対策>

生活リズムをあえて変えてみましょう。食事、散歩、遊びにおやつとルーティンを家族が規則正しく守ると、順序やタイミングの乱れやズレにワンコが過剰に反応し、家族に知らせなければと必死に吠えます。

朝寝坊してみたり、食事や散歩の時間を15分、30分とランダムに前後させてみてください。不規則な生活をすることで、ワンコに催促のタイミングをわかりにくくしましょう。

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  • 興奮を伝えたいとき

嬉しい、楽しいという気持ちを表すためにテンションがあがり吠えます。その際、全身を激しく動かすことにより興奮度が増し、更に吠えることもあります。

<よくある行動>

仲のいいお友達ワンコに会えたり、ドッグランが遠くに見えたり、ドッグカフェで料理を前にした時に吠える。

<対策>

人間同士のコミュニケーションでは、忙しくて相手の要求をのむことができず、タイミングをずらして欲しい時は「ちょっと待って」と声をかけますね。これからは愛犬にもこの「ちょっと待って」を使いましょう。

興奮がみられたら、あえて立ち止まったり、歩く方向を変えたり、お座りやマテの指示を出してください。ワンコの勢いにのまれて家族が行動するのではなく、ワンコに”我に返る”時間を与えます。

次第に要求吠えをすると立ち止まったり方向転換されてしまうことを学習して面倒くさいと感じるようになり、吠えや引っ張りといった行動が軽減されます。

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  • 不安を感じているとき

不安や緊張を感じていることを訴えるため、切なく、甘えた声で吠えることがあります。

<よくある行動>

兄弟や親犬と離れた直後や生活環境が変わった時、老犬になり視力や聴力、体力が低下し始めた時などに鳴き続ける。短時間の留守番中や就寝中、早朝などのタイミングが多い。

<対策>

ワンコが安心できる場所をつくりましょう。犬のには室内で自由に動き回れることよりも、行動範囲を狭める方が安心できる習性があります。

ライブ会場で大音量の音楽を聴きながら体を動かすとテンションが上がる一方、同じ音楽でも静かに着席していると、ゆったりと聴き入ることができるように、人間も犬も興奮状態に体の動きが加わると興奮度が増します。

体を動かせる範囲を制限し、静かに過ごすことで不安や緊張から起こるパニックの増長を抑えられます。家族が忙しい時や留守にする時は、サークルやクレートなど行動範囲が狭く、快適な温度で安眠できる場所で過ごしてもらいましょう。


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まとめ

ワンコの要求吠えにお悩みの時は、叱ったりこれまでのしつけの失敗を後悔するのではなく、裏にどんな思いがあるのか、なぜそのような行動を起こすのかを考えてみてくださいね。ワンコと家族、双方にとって最良の解決策を見つけることができるはずです。

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記事執筆&監修:
大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

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