【獣医師監修】6歳以上の犬はほぼ歯周病!? 症状からケア方法を解説

健康2018年12月7日by 松田康良先生

実は、8割以上の犬が罹っていると言われる歯周病。悪化してしまうと全身の疾患につながったり、治療には大規模な手術が必要になったりすることもある恐ろしい病気です。歯周病対策の重要性について、獣医師の松田先生に教えてもらいました。

歯石がなくても歯周病の場合も。気づきにくい犬の歯周病

松田先生によると、来院する患者さんの6歳以上の犬は、ほぼ歯周病を患っているといえるそう。とくにトイプードルとダックスフンドは歯周病率が非常に高く、「歯周病なので治してほしい」と来院されたときには、大抵は非常に症状が進行しているのだとか。

多くの飼い主は、犬の歯周病に気づきません。犬は歯周病を訴えませんし、歯周病のサインである異常なニオイが発生していても、飼い主さんがそのニオイに慣れてしまっていることもあります。

また、歯石をきれいにとっても、歯肉の中で歯周病が進んでいる可能性が十分にあります。見た目がきれいだからといって安心できないのが歯周病なのです。

犬の歯周病の症状とは? 細菌は口から目、アゴ、心臓にまで!

そもそも歯周病とは、歯肉、歯根膜、歯槽骨に炎症が生じる病気です。歯そのものには炎症は起きません。歯石だけをきれいに取っても、歯周病の可能性があるのはそのためです。

歯周病が起きるプロセスは、歯垢が固まった歯石が歯肉に蓋をしてしまうことで始まります。歯肉と歯垢の間にわずかな空間ができ、そこで酸素がない環境でも生息できる嫌気性菌が増加。菌はどんどん増え、歯肉に穴を開け、やがて歯根膜や歯槽骨、そしてアゴの骨にまで影響を及ぼします。

アゴの骨が歯周病によって溶け、外からの衝撃などが加わると折れてしまうことも。また、上アゴにまで達した炎症がさらに進行すると鼻まで穴が貫通し、食べ物が入ったり、くしゃみが止まらなくなり、膿性の鼻汁がでるようになります。奥歯のあたりで歯周病が進んだ場合は、顔の中に膿が溜まり、目ヤニや目の飛び出し、あるいは、皮膚が破れて膿が出てくることもあります。

口内で繁殖した雑菌は内蔵にも運ばれるため、歯周病が臓器疾患の遠因になることもあり、とくに心臓や腎臓は影響を受けやすいです。

犬の歯周病の治療

歯周病が著しく進行してしまった場合は、麻酔をかけて、歯石などの汚れを取り、歯周ポケットの中をきれいにします。ぐらぐらとしている歯は抜き、歯肉を剥がして穴が空いているところを埋める手術を行います。状態が深刻ではない場合や、犬が高齢で麻酔がかけられない場合は、歯肉の炎症を抑え、歯周病原細菌を減らす薬を処方し様子を見ます。

歯周病は予防ケアが大切!定期的に犬の口内環境も診てもらおう

手術は犬にとって大きな負担となりますので、歯周病は早期発見と予防が大切です。

  • 食後に水を飲む

食後に水を飲むだけでも、歯石予防になります。犬は人間のようにうがいができないため、水を飲ませることをおすすめしています。

  • 動物病院でこまめに診てもらう

ワクチンなどで病院に行った際に、歯や歯肉の状態をチェックしてもらうのも手です。自分では気づきにくい歯周病の早期発見につながります。

  • 歯磨き

毎日ケアすることが理想的ではありますが、歯磨きを嫌がる犬は少なくないためできる範囲でケアしてあげてください。目の荒いタオルを使ってこするだけでもOKです。まったく歯磨きをさせてくれない犬には歯磨きガムや歯をケアできるサプリメントを与えてみてください。

日々犬の口内環境をきれいにすることを気にかけるだけでも変わります。少しでもニオイが気になったら、まず獣医師に相談をしましょう。

※個別の診断は必ず獣医師に直接してもらうことをおすすめします。

記事執筆&監修:
松田康良先生松田康良先生獣医師

2007年獣医師免許取得。シートン動物病院に勤務する傍ら、東京農工大学付属動物医療センターで特任助教を務める。かつては犬・猫・ウサギの目を重点的に治療する東京ウェスト動物病院に勤務し、二次診療施設である日本獣医生命科学大学動物医療センターで研修医もしていた。ノルウェイジアン・エルクハウンド1頭と猫4匹と暮らす。

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