【専門家監修】衛生的で正しいドッグフードの保存方法とは?

食事2022年2月17日by 大谷幸代さん

毎日食べるフードの管理、正しくできていますか?出荷時のドライフードは、品質を保つためにできる限り水分を減らした状態で密閉されているため、開封後は空気中の水分や湿気を勢いよく吸収し、特に高温多湿の環境ではカビや細菌が発生することもあります。この記事では、ペット食育士の大谷幸代さん監修のもと、ワンコに衛生的で美味しい食事を取り続けてもらうための、ドッグフードの正しい保存方法を紹介します。

ドッグフードが劣化する原因

ドッグフードは、開封すると酸素に触れることによって急速に酸化が進み、空気中の湿気を吸収し、目には見えない劣化が進みます。酸化し、風味が薄れたドッグフードは本来の美味しさが失われてしまうので、愛犬も喜んでくれなくなってしまうでしょう。フードの出しっぱなしや、フタの開けっ放しには要注意です。

食べ残しフード、置きっぱなしにしていませんか?

ワンコの少食や偏食が理由で器に入ったドッグフードが置いたままになっている場合、知らぬ間に細菌が繁殖したり、小さな虫が湧く可能性があります。放置されたフードは、風味が失われるだけでなく、唾液や雑菌の付着によって有害な細菌が発生する可能性があります。特にウェットフードは、水分含有量が多く微生物の増殖が早いため、口を付けてから20分ほどしたら下げるようにしましょう。食べ残しが気になるときは、1回に与える分量を少な目にし、完食できる量を複数回に分けて与えると安心です。

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特に高温多湿の夏場は、留守番中や夜間の置き餌にも注意しましょう。犬は腐食動物であるため、腐ってしまった物でも目の前に置かれると食べてしまう習性があります。食事はこまめに片づけ、いつでも美味しく安心して食べることができるよう飼い主が気を付けて管理していきましょう。

ドッグフードのタイプ別の保存・保管方法

ドッグフードのパッケージに記載されている消費期限はあくまでも未開封の状態の場合です。開封後は酸化が進み風味が薄れるため、形状別に正しく保存・保管をおこない、早めの完食を目指しましょう。

フードの形状タイプを復習しよう

ドッグフードを正しく、衛生的に保管するには、各タイプの特性を理解することから始めましょう。一般的にドッグフードは、ドライ、ウェット、オヤツの3種類の形状に分類されます。水分含有量は、ドライフードが10%以下、ウェットフードは60~70%程度です。オヤツはその成分がササミや魚など特定の栄養素に特化されており、水分含有量も様々です。正しく保存・保管する上では、水分含有量の違いが大きく関係します。含有水分量が多くなればその分、品質が劣化するスピードが加速するためです。

  • ドライフード

ドライフードは、直射日光が当たらず、高温多湿を避けることができ、風通しのよい清潔な場所に保存してください。たとえば、水道下は湿気が多くおすすめではありません。冷蔵庫なら低温だし安全と考えがちですが、ドライフードの保存には向いていません。冷蔵庫にいれると、出し入れの際に結露し、カビが発生する可能性があるからです。結露は、冷蔵庫と室温の温度差によって発生します。未開封のフードを冷蔵庫保存をする場合は、開封前に必ず常温にもどし、結露の発生を防ぎましょう。開封後はフードが酸化し、味や風味が変化します。酸化を抑えるため、密閉ができる容器にいれることも大切です。レオ&レアの場合は、1ヵ月を目安に食べきることをおすすめします。

  • ウェットフード

水分含有量が60~70%と高いため、風味や食感の満足度は高いものの品質管理が難しい形状のフードです。ワンコが口を付けた後は雑菌が繁殖しやすく、長時間置きっぱなしにしていると乾燥が進んで食感も損なわれます。高温多湿な時期は、気がつかない間に腐敗している場合もあります。開封後は、密閉できる容器に移し替え、冷蔵庫で保存しましょう。保存の目安は2~3日程度です。

缶詰やレトルトパウチの場合、別容器に移し替えずに保管することも可能ですが、開封後は容器内部の金属成分が溶け出し、ドッグフードに混入することもあります。開封後の劣化に備え、早めの別容器への移し替えが安心です。

  •  スナック、おやつ類について

スナック類は水分量を少ない状態で加工し、長期間の保存が可能なタイプが人気です。つまり、1度開封するとドライフード同様、空気中の湿気や雑菌を積極的に吸収してしまいます。ダイエットや肥満防止のため、オヤツは毎日少しだけと決めている場合、気がつけば開封後1カ月以上も経過してしまっているということはありませんか?スナック類も開封後は密閉容器に移し替えての保管が安心です。ガムや豚耳などワンコがすぐに完食できないスナック類は、衛生面を考え当日中の処分がオススメです。

フードの冷凍保存は可能?

少食や偏食、色々なフードや手作り食とのローテーションなどの理由から開封後1カ月以内の完食が難しい時は、ドッグフードを小分けにしてからの冷凍保存もオススメです。冷蔵保存の場合、庫内の湿気を吸収し、フードの水分含有量が増え常温保存に比べ劣化のスピードが早まります。一方、冷凍保存であれば、庫内の冷気のおかけで雑菌や虫の繁殖といった心配が無く、湿気吸収もありません。

冷凍保存をする時のポイントは、1食分ずつの小分けにすることと、しっかり密閉できる容器や保存袋に入れることです。解凍は1食分ずつ行い、常温に置くか、急いでいる時は電子レンジの加熱でも問題ありません。ウェットフードやオヤツは長期間冷凍庫内に保管すると冷凍焼けを起こし変色する場合があるので、冷凍後1カ月程度で食べきりましょう。

ドライフードは冷凍保存であれば品質劣化は進みませんが、あまりに長期間の保存は風味消失の恐れもありオススメできません。

トッピング用食材を冷凍する時は肉、魚、野菜と種類別に分け、1食分ずつの小分け冷凍がオススメです。

定番食材のブロッコリーや人参、イモ類などはワンコの食べやすいサイズに刻み、指で簡単につぶれる程の柔らかさになるよう加熱し、粗熱が取れてから小分け冷凍にしておきます。この段階で数種類の野菜を混ぜ合わせ、小分け冷凍をしておくと便利です。冷凍保存した野菜に、肉や魚を食べる当日に付け加えれば簡単にトッピングレシピが完成します。

ドッグフードの保存におすすめのグッズ

ドッグフードの保存容器はペット専用製品である必要はありません。密閉できるパッキンがついていて取り扱いやすく、またデザインも好みの容器を探すべくキッチン用品やインテリア雑貨にも視野を広げてお買い物を楽しみましょう。留守番時間が長く、少量ずつ複数回に分けて食べるワンコには密閉容器付き自動給餌機の利用もオススメです。

ドッグフードを美味しく衛生的に保存・保管するオススメのグッズは、以下3点です。

  • パッキン付きのプラスチック製容器

容器は密閉できることが絶対条件です。購入前に必ず確認しましょう。陶器製保存容器はデザイン性が高く、可愛らしいものの密閉性に欠ける場合があるため、パッキンが付属していない場合はオススメできません。

  • 保存袋

冷凍庫で保存する場合は庫内のスペースを有効に活用できるよう形状が自在に変わる保存袋が重宝されます。少量だからとラップで包み保存をする場合、密閉性に欠ける場合があるので、しっかり密閉できているかを確認してから保存しましょう。

  • 耐熱容器

冷蔵、冷凍庫から取りだし、そのまま電子レンジで加熱できるよう耐熱性があることもポイントです。

ワンコの食事1回分の分量ずつ小分け保存する場合、100均で販売されているお弁当用の小サイズの容器や離乳食用の小分け保存用容器がちょうどいいサイズで好評です。

長期間保存向きのドライフードは、災害用に常備を

 ドライフードの魅力は長期間保存でき、未開封であれば品質や風味が保たれていることです。この特徴を大いに活用し、ワンコの災害用品にドライフードを1袋常備しておく方法をオススメします。

災害用フードを常備する場合、以下3点をポイントにするとよいでしょう。

  • 未開封のパッケージのままで保存する
  • フードと一緒にお皿も収納しておく
  • フードパッケージの愛犬の名前の箇所に大きく目印を付けておく

ドッグフードは開封すると日々酸化が進み、風味も薄れてしまうので未開封のままで保存をしましょう。災害時に意外に忘れがちなお皿もフードと一緒に収納しておくと、すぐに取りだし使うことができるので安心です。また、混乱した状況下でもフードの所有者が一目で周囲にわかるように、名前の箇所に印を付けておくという方法も効果的です。

新たにドッグフードを購入した時は、災害備蓄分のドッグフードと入れ替え、在庫のローテーションをしましょう。この方法なら災害備蓄分の消費期限切れを防ぎ、災害対策を万全に済ませることができます。

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まとめ

ドッグフードは、保存方法を見直すだけで美味しく衛生的に食べることができます。お気に入りの容器を見つけ、正しい保存・保管で健康で快適な食生活を送りましょう。

記事作成日:2018/7/18

記事更新日:2022/2/17

記事執筆&監修:
大谷幸代さん大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

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