ワンコの体調を知る上で、うんちはとても重要なサイン。健康な状態から病院を受診する目安までを、獣医師の門田先生に解説していただきました。
水分をとる量やごはんの種類などの生活パターン、犬の体の大きさや年齢などによっても異なりますが、目安としては以下のように考えるといいでしょう。
子犬の場合は、消化器の発達が未熟なうえに食事内容が成犬と異なるため、成犬よりも回数が多く、うんちがゆるめの場合も少なくありません。また、老犬になると消化機能が落ちたり、腸内細菌のバランスが変化し、下痢をしやすくなったり、逆にうんちが固くなったりすることが増えます。
他にもフードを変えると組成の違いや腸内細菌のバランスの変化により、うんちの臭いや形状が変化することもあります。
※チャートは目安です。気になる様子があれば、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
上記のチャートを参考に、今すぐ病院に行くべきかチェックしてみてください。当日の診療時間内の受診が必要かどうかは、うんちの変化だけでなく、ぐったりしている、食欲がないなどの全身症状の様子もみて判断することが大切です。
続いては、各症状について詳しく解説していきます。
下記のうんちが見られた場合は、すぐに病院に行きましょう。
うんちを持っていくと、獣医師が診察しやすくなります。持っていけない場合は、写真でもいいでしょう。排便の様子が気になる場合は、動画に撮っておくと伝えやすくなります。また、以下のことも獣医師に伝えましょう。
病院にうんちを持っていくときは、ほかの子にうつさないためにも、ジッパーつきのビニール袋などに入れてしっかり封をして持っていきましょう。また、飼い主の手を媒介してほかの子に感染する心配もあります。うんちを触った後はしっかり手洗いをしましょう。
うんち以外に体調など気になる症状がない場合、様子を見てOK。数日症状が続いたり、悪化したりした場合は、病院に行きましょう。
様子をみるときは、基本は、普段と変わらない生活をすることがポイント。たとえば「下痢っぽいから、いつもと違うおやつにしよう」というのはNG! うんちの変化の原因がわからなくなってしまうばかりでなく、悪化する心配もあります。また散歩も行かないことがストレスになる可能性があるので、通常通り連れて行ってかまいません。
飼い主さんにあまり知られていませんが、実はとっても心配なうんちの異常があります。それは、ひも状の異物が混じっているうんちです。
糸やビニール、マット、タオルなどをかじって飲み込んでいる可能性があり、ひも状の異物が腸の中で詰まってしまうと、広範囲にわたって腸管を傷つけ腸閉塞を起こし最悪の場合、死に至る恐れがあります。
ひも状の異物はX線写真に写りにくく、詰まっているかどうか、どこに詰まっているのかを見つけにくいという難点があります。そのため、おなかを切開する大手術になる可能性もあるのです。タオルなど繊維がほつれやすいものや糸やビニールなどをかじらせないよう、犬の近くに置かないようにしましょう。
うんちは健康のバロメーター。毎日チェックして、ワンちゃんの健康に役立ててくださいね。
*個別の診断は必ず獣医師に直接してもらうことをおすすめします。